くじら

 

「くじら」あらため「カツオ」再びあらため「くじら」(二転三転すみません、話を聞いたら、くじらは死骸が打ち上げられるらしく骨が山岳地方でまで出土するとのこと。逆に葦舟ではカツオ漁はできなかったのではないかということだったので)。2017年11月国立科学博物館主催の「古代アンデス展」にて展示されていた土器を元に起こした図案。魚をかたどった船(葦船?)に、モチェの海神が乗って生贄を死の領域へ連れて行くところらしい。その船の部分だけを魚として抽出しアレンジしてみた。なお、「アンデス展」の出品土器はラルコ・オイレ博物館所蔵の品だが、実は類似のデザインの土器がペルー中央準備銀行付属博物館にもある。100年ほど時代を隔てているようなので、わりと息の長い、モチェの人々にとってはいわば「普遍的な」デザインだったのかもしれない。どちらの土器も、写真で見るだけでも芸術品としての完成度の高さが感じられる。


発表時期 2017年11月

国  籍 ペルー

由  来 モチェ

モチェはAD 0~700年ごろにペルー北部海岸で栄えた文化圏。立体造形に優れ、黄金をはじめ数々の美しい工芸品を残した。大きくて水の豊かな川から用水路を引いて、砂漠を農地に変えていった。つまり、「灌漑農業」を積極的に行う農業先進国だったらしい。