モチェのドラゴン

トルヒーヨから北へ約60km、チカマ渓谷にあるエル・ブルホ遺跡群のワカ・カオ・ビエホの壁に描かれた模様のひとつ。ドラゴンに見えるので、大怪店《龍展》を機にデータ化した。

「エル・ブルホ」とは「魔術師」の意味。シャーマンたちが定期的にこの地に集まって祭祀を行っていたことに由来する。「ワカ」は「聖なる場所」のことで、ワカ・カオ・ビエホは、120×130メートルの底辺に高さ30メートルを擁する巨大な階段ピラミッドだった。なお、ここからは「カオの貴婦人」と呼ばれる高貴な女性の墓が見つかっている。


発表時期 2021年4月

国  籍 ペルー

由  来 エル・ブルホ(モチェ)

モチェはAD 0~700年ごろにペルー北部海岸で栄えた文化圏。立体造形に優れ、黄金をはじめ数々の美しい工芸品を残した。大きくて水の豊かな川から用水路を引いて、砂漠を農地に変えていった。つまり、「灌漑農業」を積極的に行う農業先進国だったらしい。