モチェの豆戦士

 モチェでは、動植物はもちろん、武器や食器などの道具までが手足の生えた状態で描かれる。自分は個人的に「手足は生命力の表現じゃないか」と思っているが、それはおいておくとしても、おそらくアニミズム的な要素があっただろうことは想像に難くない。

 豆についていえば、写実的に豆そのものが描かれた土器もあるが、手足が生えて盾と棍棒を持った戦士の姿で描かれたものも結構多い。なお、それとは別に、人間の戦士たちが袋に入った豆を持って走るレースもあったらしい。

 今回、機会を得てオリジナルすごろくを作り、そのときにずっと気になっていた豆戦士のデザインを起こした(土器のオリジナル図案のままではない)。


発表時期 2021年4月

国  籍 ペルー

由  来 土器(モチェ)

モチェはAD 0~700年ごろにペルー北部海岸で栄えた文化圏。立体造形に優れ、黄金をはじめ数々の美しい工芸品を残した。大きくて水の豊かな川から用水路を引いて、砂漠を農地に変えていった。つまり、「灌漑農業」を積極的に行う農業先進国だったらしい。