モロップ(イグアナの神)

イグアナの神である(モロップはおそらくムチック語で「イグアナ」の意味)。顔を見てもどこがイグアナかわかりにくいが、ちゃんと尻尾が付いている。これは土器のうちでも2次元的な図案を元にした。なお、3次元的な造形の土器もたくさんあって、そちらでは必ず頭にコンドルを載せているのがおもしろい。生首を持たない穏やかそうに見える神なのに、「死の神」でもある。イグアナが土中で眠る生態を持つかららしい(地下は死者の世界だから)。


発表時期 2004年8月

国  籍 ペルー

由  来 シパン(モチェ)

モチェはAD 0~700年ごろにペルー北部海岸で栄えた文化圏。立体造形に優れ、黄金をはじめ数々の美しい工芸品を残した。大きくて水の豊かな川から用水路を引いて、砂漠を農地に変えていった。つまり、「灌漑農業」を積極的に行う農業先進国だったらしい。